内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い、Kevin DuBrow(Vo)、Frankie Bannali(Ds、Per、B-vo)、Carlos Cavazo(G、B-vo)、Rudy Sarzo(B、B-vo、ex- Ozzy Osbourne、後にProject:Driver、Whitesnake、Manic Eden他)となります。
また名手Chuck Wright(B、B-Vo、二曲のみ、後にGiuffria、House of Lords他)、Pat Regan(Key、後にLion、Deep Purple、Blackmore's Knight他をプロデューサーとして手掛ける)となります。
そもそもかのOzzy Osbourneの復活・音楽性の土台構築に尽力した名手故Randy Rhoadsが1973年にKerry Garniと結成したバンド。
当初はトリオ編成でRandy RhoadsやKelly Garniがヴォーカルを担当。但し得意分野ではない事から専属ヴォーカリストの必要性を感じKevin DuBrowを加入させ、”Mammoth”等々の前座を務めるなど活動。
”Mammoth”改名かの”Van Halen”がKISSのGene Simmonsの援助等を受け衝撃のメジャーデビューするものの、Quiet Riotは鳴かず飛ばず。
されど日本単独契約を得て二作制作するものの、話題に成らず。
またKevin DuBrow加入後は強烈な人間性のKevin DuBrowとKelly Garniとの確執があり、2nd製作後Kelly Garniは脱退し、Rudy Sarzoが加入。活動を継続。
されど後にVinnie Vincent InvasionやSlaughterで名を成すDana Strumの紹介で故Randy RhoadsはBlack Sabbathを解雇となったOzzy Osbourneの新バンド構想の面接(笑)
で合格。
(オーディションではない事がミソ、初対面・一目で採用(笑)。「ルックスは重要だ」とのOzzy Osbourne談...........何だかな~)。
故Randy RhoadsはOzzy Osbourneとの音楽的邂逅に賭け、バンドを去る事となります。
バンドはギタリストを加えるものの暫くして解散。Kevin DuBrowは”DuBrow”として再出発する事となります。
その後、名手三名Frankie Bannali、Carlos Cavazo、Chuck Wrightを新たに加入させ新バンド構想を目論んだKevin DuBrowは
Ozzy Osbourneの復活で名声を博す故Randy Rhoadsに掛け合い、”Quiet Riot”の名称譲渡を提案。
故Randy Rhoadsは同意。バンドはアルバム制作に万進するものの、Randy Rhoadsはかの不慮の飛行機事故で他界。
また故Randy Rhoads死去後のOzzy Osbourne Bandが流動的となり、バンドに不信感を持った(”Quiet Riot”
名称権を持つ)Rudy Sarzoに
Kevin DuBrowが
再加入を提案、同意を得。遂に
ラインナップが確定し、制作を進め完成。
リリースすれば大ヒット。大ヒットした”Slade”の秀悦なカバー楽曲のみならずアルバムも高品質。大成功が頷けるものであり、バンドは順風満帆となります。
更にもう一度と制作されたのが今作。
前作同様、Kevin DuBrowという強烈な音楽個性を中心とした音楽性で、故Randy Rhoads時代やその後故Randy RhoadsがOzzy Osbourne Bandで指向した音楽性とは明らかに異なる音楽性でございます。
再び取り上げられた名バンド”Slade”のカバー楽曲が顕著でございますが、
英国Glam Rock系それもアート系ではないポピュラー分野の流れを汲む色の強いR&R色の強い音楽性(そのもの”Slade”でございますが.............コーラス重視と言い.....)。
但し、(強烈なヴォーカルで隠れがちでございますが)非常なメロディ重視。明るくも英国系の流れを汲むしっとりとした面を持つメロディが特徴。
世間ではシングル・ヒット一発屋のイメージが強いバンドでございますが、他の楽曲もその大ヒット楽曲に引けを取らないもの。
バンドの音楽性や”Slade”そのものの音楽的影響もあり非常にコンパクトな楽曲が揃う作品ではございますが、シングルヒット重視のあざとさはないもの。案外アルバム重視の感がございます。
またFrankie BannaliというHM~R&R系(手数系・
スケール感・立体/躍動感重視の)名手が在籍という事もあり、演奏・アンサンブルが抜群の出来。プロとしてはそれほどの経歴が加入前に無かったと言われるCarlos Cavazoでございますが、
(確かに甘さはございますが)八十年代というギターヒーロー時代に上手く合わせた演奏を聴かせてくれます。
Kevin DuBrow主導の音楽性でございますが、このCarlos Cavazo、作曲面にも長けた感のある演奏やソロワークが聴かれる事がミソ。作曲クレジットは少ないのですが音楽性の鍵を握る感がございます。
Quiet Riot離脱後、様々な活動に転身していく感のあるRudy Sarzoでございますが、この”Quiet Riot”での演奏がベストではなかろうか?との感がございます........................................................
その後”口は禍の元”を体現した感のある肝心のKevin DuBrowでございますが.....................................
明らかに”Slade”のNoddy Holderの影響が強い事が判るものでございますが、
正直一本調子で強烈さ重視のヴォーカルでございますが、声量ありできちんと歌えるヴォーカリストでございます。
後にかのRonnie James Dio主催のチャリティー・プロジェクト楽曲”Stars”でリード・パートに起用された事が分かる力量でもございます.....................................
(但し、そのRonnie James Dio同様に”ワン・スタイル・シンガー”であり、あれしか歌えないという宿命を背負ったものでございます。その対極がかのOzzy Osbourne。決して上手いヴォーカリストではございませんが、応用性は抜群。
また存在感は引けを取らず、かのRick Wakemanも高く評価するものでもございますが..............................................)
また録音も素晴らしいもの。
八十年代中期に顕著になるディジタル・エコー感過剰の音造りになる直前の感があり、アナログ感の温かみ・立体/躍動感とディジタル感が上手く融合した録音。オーヴァーダビングを極力控えた制作やドラム録音は唸るものがございます。
(予算の関係もあるのでしょうが...................................)
(バンドの契約にも尽力したと言われる)プロデューサーSpencer Profferの手腕は中々のもので、八十年代を代表する録音の感もございます....................................................
されど、音楽性の強烈さが災いしたのでしょうか? 前作があまりの大ヒットで聴衆が「お腹いっぱい、もう充分」とその後の三枚分のセールスを食い潰してしまった感があり、「前作の焼き直し」(飽きた)と
レッテルを貼られて
しまった感。
今作も高品質であるものの、セールス不振となってしまった感がございます....................................................
こちらはリマスター前のアメリカ盤CDでございます。
廉価版リリースではございますが、オリジナルCDと同じ音源。CD化するにはCDの音質や音域を考慮したマスタリングがそもそも成されますが、リマスターはそのCDの特性に合わせ音をより強調しマスターを再現するもの。
近年、音質向上を図るがあまり、オリジナル・マスター
とは異なる音の強調が成されるリミックス感があり、低音効き過ぎや音が角張り過ぎとの意見も聴かれます。
何をか言わんや、でございます.............................................
現在ではこの仕様は入手が困難。この機会に是非。
注:発送方法は変更になる場合がございます。宜しく御願い致します。