日本独自リマスターでございます。
日本特有の高音中心で幾分杓子定規的な..........と申し上げたい所でございますが、結構アナログ感があるもの。
また、
オリジナルに即している事がミソでございます。
Paul McCartney名作という事からエンジニアが相当気合が入っていた感が有り窺えるもの。
リマスターにあたり、これでもか!という並々ならぬ意欲が窺えるものでございます.......................
現在ではこのPaul McCartney作品群最新リマスターがリリースされておりますが、作品によってはデータの音飛びが指摘されております。
ファンを中心として指摘が為され、改善が
求められておりますが、レーベル側は「これが正規」の一点張り。
(The Beatles某作品も同じ...................)
何をか言わんや、でございます.........................................
ラインナップは興味深い面々。
Paul McCartney(Vo、B、G、Key、ex-The Beatles
)、故Linda McCartney(B-vo、Key、Per)、
Denny Lane(G、Vo、Harmonica、ex-Moody Blues)、
名手Henry McCullough
(G、B-vo、Per、ex-Joe Cocker & the Grease Band、The Greace Band、Spooky Tooth、
Frankie Miller/Ronnie Laneセッション他)、
Denny Seiwell(Ds、Per)となります。
ゲスト参加に名手David Spinozza(G、後にL'Image、Billy Joelセッション他)、名手Hugh McCraken(G、Billy Joelセッション他)が各一曲ございますが、
”Ram”の外れ曲(Paul & Linda McCartney/Davud Spinozza又はHugh McCraken/Denny Seiwell編成)となります。
また、管弦楽団の参加がございます。
プロデュースはPaul McCartney自身。エンジニアはかの
”Glyn Johns”、
”Alan Parsons”他となります。
1972年3
月~6月英国ロンドン”Olympic Sound Studios”、
(当初は
Glyn Johnsをプロデューサーとして起用。されど
途中で意見相違で解雇。録音スタジオを移行)
”Morgan Studios”/”Trident Studios”
での録音セッションを経て、(7~8月ヨーロッパ・ツアーを挟み)
9月
”Island Studios”
、
10
~12月
”Abbey Road Studios”(Alan Parsons登場!)にて最終
制作となります。
McCartney夫妻名義作”Ram”制作前にDenny Seiwellをオーディション選考で獲得。
制作中にライヴ活動を見越してソロバンドを構想していたものの、
「自身が主導であるもののカミさんを加えた上でバンド的なインプットが得られる編成」を模索する様になり、
制作末期にシングルリリース用楽曲”Another Day”制作ではPaul McCartney自身がプロデュース。
本格的にバンド形式の音楽性を指向する事となります。
今作制作の後にかの”Moody Blues”離脱後ソロ中心として活動していたDenny Laineを加入させ、”Paul McCartney & Wings”を結成。
同年7月から”Wings”としての
デビュー作
”Wild Life”を制作。
あくまでもバンド編成に拘ったものの、非常な好評を呼ぶ事となります。
ライブ活動を考慮するも、Paul McCartney自身がピアノやアコースティック・ギターを担当する場合にベース又はリード・ギターを担当するメンバーが必要となり、
メンバー補充が急務となります。
そして名手故Henry McCullough(ex-Joe Cocker & the Grease Band、The Grease Band他)をスカウト。
本格的にツアー活動に乗り出していく事となります。
新編成や
新曲
の試行を兼ね、
ゲリラ的なライヴ開催ツアーを企画。
好評を博す事となり、手応えを感じたPaul McCartneyは早速制作を開始。
今作制作に乗り出す事となります.....................
さて今作。
当初は二枚組制作企画の模様。
アナログ盤の収録時間制限で外したMcCartney夫妻名義作前作”Ram”外れ楽曲2曲収録から窺えるもの。
レコード会社の都合でシングルリリースとなったものでございます。
(ここがラインナップ崩壊の元凶の感..............)
”Paul McCartney & Wings”本格始動となる作品でございます。
されど、”Wings”はPaul McCartneyの音楽性体現の為のバンド。
Paul McCartney単体ではドラム/ギター演奏では技術的な問題があり、
その解決や他ミュージシャンからの音楽的なインプットを欲した事を窺える感の有るものでございます。
如何にPaul McCartney自身の音楽性を発展させるか?を窺えるものでございます。
(この矛盾めいた感覚がメンバー交代に繋がる感も..........................)
楽曲はメロディ重視で非常に質の高いもの。
バンド編成ではございますが案外趣味性が高いもので非常に凝ったもの。されど正直一般的なものではない事がミソでございます。
当時の英国古典派アート・ロック系に繋がる音楽性の感があり、Pink Floyd等に繋がる楽曲等の存在が興味深い所。
(この辺りが名手故Henry McCulloughの貢献という感...................)。
案外人を選ぶ感覚がある音楽性でございます。
”The Beatles”人気が強く残っていた当時とは言えど、如何に当時の聴衆が鋭いものを求めていたか?が理解出来るものでございます.......
但し、非常にメロウな感覚。
当初二枚組制作がシングル企画に移行した事で楽曲を絞った事でこうなった感がございますが、
レコード会社の要望でロック系楽曲が外された感がございます。
(そこが名手Henry McCulloughの深刻な不満を引き起こす事となりますが......................................)
リリース後は前作に引き続き大ヒットを記録する事となります。
されど当初の二枚組企画がレコード会社の都合で破棄された事で名手Henry McCulloughが望んだロック系楽曲が外される事になり、
更に作品がメロウに成り過ぎた事や創作貢献の範囲が狭すぎる事で名手Henry McCulloughが不満を抱える事となります。
更には貢献に対しての報酬が少なくそして明確でない事が引き金となり、
1973年英国ツアー終了直後に名手Henry McCullough
それに続きDenny Seiwellがあっけなく脱退。
されど次作制作スケジュールが既に決定。
変更不可となっており、残る三名にて制作に乗り出す事となります..................................................
この機会に是非。