内、傑作2nd”Fly by Night”にはDVD-AUDIO用Discが追加封入されております。
新規リマスターでございますが、現在主流で情報量重視のフラットマスタリング方式によるもの。
非常にアナログ感が感じられる音質で非常に良心的でございますが、幾分現代感とライヴ感がございます。
またCDは厚めの内袋に収められており、更に良心的。
紙ジャケットは海外生産という事で(御家芸という)日本盤に比べて、何かねぇ.......という幾分アバウトさがございますが、良心的な造りとなっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは不動の名手三名。Geddy Lee(Vo、B、Key、Bass Pedal)、Alex Lifeson(G、Vo、Bass Pedal)、故Neil Peart(Ds、Per)となります。
但し、1st”Rush”のみ John Rutsey(Ds、Vo
)となります。
カナダ・オンタリオ州トロント、ウィローデールにて結成。
Alex Lifeson/John Rutsey等のトリオにメンバー交代でGeddy Leeが加入した事でラインナップが固定。
ライヴは評判を呼び、自主制作でシングルをリリースするも鳴かず飛ばず。されど自主レーベルを設立し安普請にてデビュー作を本格制作。
リリース後は地元ラジオ局で評判を呼ぶ事となり、メジャーレーベルが獲得に乗り出す事となります。
されど創作の自由の為に自主レーベルを盾に配給契約を結び、
再リリースに当たって、後に長い付き合いとなるTerry Brown(後にDream Theater、Fates Warning等手掛ける)が部分リミックス。
表舞台に登場と相成ります。
ライヴは好評を呼び、地元トロントでのZZTOPの前座を務め大反響を得る等々の評価を得るものの、
John Rutseyが健康問題で離脱。
その後オーディション選考でNeil Peartを獲得。ここにて不動の名手トリオが完成と相成ります。
ツアー後に新作制作に乗り出すものの歌詞に煮詰まり、「本ばかり読んでるなら歌詞を書け!」とNeil Peartを無理矢理創作に引き摺り込む事となります。
渋々歌詞を書き始める羽目となった故Neil Peartではございますが、過剰な読書の蓄積で得られた知識は膨大なもので非常に興味深いもの。
バンドの音楽性に大きな影響を与える事となります................
その2nd”Fly By Night”完成リリース後は非常に評判を呼び、カナダでは結構なチャートアクションとセールスを呼び、また米国では初のチャートイン。
ライブも好評を呼び、メジャーなミュージシャンの前座に起用される程となります。
ツアー後周囲の期待と共に新作制作に着手。
新生面で大作主義を打ち出す等々意欲的で質が高いものであったものの創作面で煮詰まりとスランプが幾分感じられるもの。
またプログレ色を打ち出した事とストレートなロック色を求める聴衆との溝が際立った事もあり、セールスや評価は賛否。
バンドは危機を迎える事となります。
ツアー後配給レコード会社等の圧力の中で創作・制作開始。
前作の反省と成果を生かし、また配給レコード会社の意向を加えた形でA面コンセプト大作、B面三曲という新作”2112”をリリース。
「音楽を禁じられた全体主義の時代に、主人公が迷い込んだ場所で見つけた楽器で音楽という思想の自由と美を見つけるものの、それを恐れる体制側に弾圧される」
という近未来的な寓話を基にした大作が大きな評判を呼ぶ事となります。
また配給レコード会社の意向が反映された感のあるコンパクト感のある楽曲も高い評価を受け、作品は全米でもかなりの好評を得る事となります。
ツアーも好評を得る事となり長期化。
その後新作に向け創作に当たるもののインターバルを置きたいバンド側はファンが渇望していたライヴ盤制作の為にライヴ録音を敢行。
初期の集大成となる「All the World's Stage」を制作リリース。
更なる演奏力・音楽性の向上とそれらの成果を生かし、新たな音楽性を指向し、新作制作に臨む............................という経緯がございます........................
さて今作BOX。
古典派ハード/プログレッシヴ・ロック期(プログレッシヴ・ロック色はまだ弱いものではございますが.........)の傑作群。
”Rush””Fly by Night”(DVD-AUDIO付
)、”Caress of Steel””2112””All the World's Stage”に歌詞等を纏めたブックレットという仕様でございます。
John Rutsey~故Neil Peartというメンバー交代の変遷がございますが、この時代の基礎は既に1st”Rush”にてLee/Lifesonにて築かれている事がミソ。
John Rutseyも手数系名手であった事、
故Neil Peartの演奏も若干稚屈で大雑把な面はあるものの手数系で既に基礎は完成。後のスタイルが窺える所
が興味深いところでございます。
但し、ジャズ系の影響が強く変拍子に強い故Neil Peartの演奏は明らかにバンドの音楽性に大きな影響を与えており、楽曲展開の複雑さ巧みさを齎した感がございます。
正直ハード色が強い音楽性で歌詞面も幾分稚靴な面がございますが、音楽性や演奏面の向上・変化に従い後に失われていったものが多くあり、非常に興味深いものとなっております。
この機会に是非。
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