前者は盤共に非常に状態の良い中古でございますがCD直ジャケット封入の為、盤に幾分擦り傷、ジャケット/解説に若干の汚れがございます。
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い。
故Steve Marriot(Vo、G、Harp)、Peter Frampton(Vo、G、ex- The Herd
)、Greg Ridley(B、Vo)、Jerry Shirley(Ds)となります。
1971年5月28/29日米国ニューヨーク”Filmore East”四公演完全収録となります。
本編プロデュースはバンド自身となりますが、今作完全版ではPeter Frampton/Jerry Shirleyによるものの模様。
当時の録音エンジニアはかのEddie Kramer。
(Jimi Hendrix存命時の作品制作エンジニアで知られ、現行Jimi Hendrixアーカイヴ制作に携わる。後にLed Zeppelin、Whitesnake、
Triumph、Loudness等手掛ける)
新規ミキシングはAshley Sheppardによるものでございます。
1960年代後半”The Herd”で活動し成功を収めるもののアイドル扱い、それに非常な不満を感じていた名手Peter Framptonがバンドを脱退。
そこに名手故Steve Marriotがアプローチ。
ライヴ・セッションを経て、自身のバンド”The Small Faces”に加入を目論んだ事から始まります。
故Ian Mclagan他のメンバーはその案を拒否。
名手故Steve Marriotはバンドを脱退。
名手Peter Framptonと共に
演奏エゴを生かしやすい”
Blues/Soul
”ベースのハード・ロック・バンド
”Humble Pie”結成する事となります。
かの”The Immidiate Records”と契約し二作を制作。好評を得るもののレーベルが閉鎖。
新たに”A&M”の契約を経て新作制作に取り組む事となります。
されど、故Steve Marriot/Peter Framptonの間に音楽性のポピュラー化(Peter Framptonの後の大成功に繋がる事となりますが......
)を巡り、
深刻な音楽的亀裂が生じていく事となります。
リリース後は不振。
されど、ライヴ・バンドとしての名声は非常に高まっており、
ラジオ放送向けライヴ録音をきっかけに起死回生作としてファンから渇望されていたライヴ盤制作に向け録音に乗り出す事となります........
さて今作。
バンド歴史内で急激にセールス/チャート・アクションを叩き出した事で知られる本編ではございます。
当時のマルチ・トラック録音が残されており、マスター・テープのデータ化に合わせて企画された感が有る今作でございます。
(当時の制作データから)そもそもラジオ放送向けに録音が為された感が有り、非常に録音の良いもの。
加えて現在スタジオ技術の大幅な発展があり、非常に音質の良いものに仕上がっております。
本編はカオス感のあるものではございますが、こちらは非常にすっきりした音像。
また会場規模が判るもので、会場の雰囲気含め生々しさが感じられるもの。
今企画では当時のHumble Pieのライヴを再現する事に重点を置いた感がございます。
そもそもライヴ・バンドとして評価が高かった事が有り、演奏・アンサンブルの纏まりは見事なもの。
そもそもの本編ライヴ盤企画のみならず、今作完全版企画が立案された事が頷けるものでございます。
今作本編は歴史的なライヴ名盤として名高いものではございますが、今作はそれの発展ヴァージョン。
されど同様に歴史的な名盤という感がございます.................................
演奏の有り方やフレーズのセンスの相違から故Steve Marriot/Peter Framptonの音楽性を巡る対立が窺えるものでもございます................
ツアー後今作制作に乗り出しますが、前作制作時から生じた「ポピュラー化」の相違を巡っての亀裂が更に深刻化。
修復は不可能となり、今作制作完成を待たず名手Peter Framptonは脱退する事となります....................
その後のHumble Pieは名手Dave Clemson(ex-Bakerloo、Coloseum、後にRough Diamond、JCM、
Cozy Powellセッション等)を迎え
故Steve Marriotに指向する音楽性へ移行。
名作の名高い二作を制作し成功を収める事となりますが、その後のアメリカ・ルーツ音楽傾倒振りとシーンの変化からファンの興味を失い、
通受け二作制作後に解散を余儀なくされる事となります............
一方、名手Peter Framptonは自身の音楽性ポピュラー化を以てソロ独立。
ソロ作制作を挟んで自身のソロバンド”Peter Frampton's Camel”を結成。
されど評価は高いものの、鳴かず飛ばず。
前座起用含め精力的にツアー/作品活動に勤しむ中、4作目”Frampton”が好セールス/チャートアクションを記録。
またライヴ・アクトとして評価が高い事やスタジオ録音制作とのギャップが指摘されており、
起死回生としてライヴ盤”Frampton Comes Alive!”を制作する事となります。
リリース後は驚愕の大ヒットを記録。
時代の申し子となり、一気に成功の階段を駆け上がる事となります.....................................
Humble Pieにせよ、Peter Framptonにせよ、ライヴ盤が運命の分かれ道。
音楽性が異なるにせよ、興味深い一致ではございます..................................................................
さて本編。
ライヴ盤とは言え、Steve Marriot/Peter Framptonそれぞれの音楽主張の擦り合わせ(妥協点とでも申しますか...........)が何であったか?が、
朧気に見えてくるものでございます..............................................
この機会に是非。