希少図録本 日蓮聖人展 第七百遠忌記念
御影肖像画 画像 坐像 御本尊 日蓮直筆 御真蹟 曼荼羅本尊 絵曼荼羅 書跡 書状
消息 ほか 155点写真解説 日蓮宗 法華宗 花押 立正安国論
曼荼羅本尊…
鉄砲の御本尊 女人成仏の御本尊 亀若守り御本尊 臨滅度時本尊(臨滅度時の御本尊) 玄旨伝法御本尊 祈祷の御本尊 亀姫守り御本尊 病即消滅の御本尊 他
執筆
宮崎英修(立正大学教授)
冠賢一(立正大学教授)
坂輪宣敬(立正大学助教授)
松村寿巖(立正大学助教授)
日蓮聖人門下連合会・読売新聞社
1981年
155ページ(うちカラー40ページ)
約25.5x18.5x1.2cm
※絶版
日蓮聖人の第七百遠忌を記念して、
日本全国の日蓮宗、法華宗一派の寺院に所蔵されている特にすぐれた聖人の著書をはじめとする遺品、百四十余点を集め、時代?背景を含めてその生涯を系統だてて展示した展覧会の公式図録本。
日蓮聖人の御影肖像画、画像坐像、御本尊、日蓮直筆・御真蹟曼荼羅本尊、絵曼荼羅、書跡、書状、消息など貴重な作品写真図版には、それぞれ丁寧な
詳細解説付。
一部消息や書状、奥書などの釈文活字起こしも収載した、大変貴重な資料本です。
【内容】
挨拶
日蓮聖人の仏法の特色 立正大学日蓮教学研究所長 宮崎英修
日蓮聖人―その生涯と思想―
プロローグ 誕生 出家・修学 法華信仰の確率 開宗 立正安国論の上呈 松葉谷の御難 伊豆流罪 東条松原法難 蒙古来牒 龍口法難 佐渡流罪 見延入山 蒙古襲来 門弟の教導 入滅 曼荼羅本尊 日蓮教団の展開 絵曼荼羅 日蓮聖人遺文の諸本
作品写真図版解説 113点
日蓮聖人年表
日蓮教団の展開
日蓮聖人関係者著作目録
日蓮聖人聖蹟地図
【挨拶】より
今年は、弘安五年(一二八二年)六十一歳で亡くなられた日蓮聖人の七百遠忌にあたります。
日蓮聖人は、釈尊が説かれた教えの中で、法華経こそ尊い教えであると受けとめ、それを広めるために一生を捧げたことは、いまさら申すまでもなく、多くの人の知るところであります。今回の展覧会は、日本全国の寺院に所蔵されている特にすぐれた聖人の著書をはじめとする遺品、百四十余点を集め、時代?背景を含めてその生涯を系統だてて展示しました。聖人の人柄の一端を知って頂ければ、これに過ぎる喜びはありません。
本展の開催にあたりご協力いただきました関係各位ならびに貴重なご秘蔵品をご出陳下さいました各所蔵家の皆様に深甚の謝意を表します。
【作品説明?文】一部紹介
曼荼羅本尊(鉄砲の御本尊)一幅
(静岡県)本門寺
この本尊は建治二年(一二七六)二月、身延において書かれたものであるが、のち徳川家康はこの本尊を奉じて、武田勢と交戦中、銃弾が花押の部分に命中、ために家康は事なきを得たと伝える。
それ故
「鉄砲の御本尊」、また「鉄砲曼荼羅」とも称される。
曼荼羅本尊(女人成仏の御本尊)一幅
(新潟県)妙宣寺この本尊は日蓮聖人佐渡流謫中に書かれたもので、千日尼に授与されたものと伝えるところから
「女人成仏の御本尊」と称されている。
曼荼羅本尊(亀若守り御本尊)一幅
(京都府)本満寺
この本尊を授与された「亀若」は、千葉氏一族のものと見做され、幼名をともに亀若丸と呼ばれた第十代?頼胤、もしくは第十一代?胤宗といわれている。
讚文に「病即消滅・不老不死」とあり、また授与書に「亀若護也」とあることから、特に「亀若守り御本尊」と称されている。
土木殿御返事一巻
(京都府)本満寺
文永八年(一二七一)九月十二日の竜口の難をのがれた聖人が、同十四日、相模依智より、下総の檀越富木常忍に宛てた書状。幕府の弾圧を覚悟のことと受け止め、「本よりごして候へばなげかず候。いま
まで頸の切れぬこそ本意なく候へ・・・・・・上のせめさせ給ふにこそ、法花経を信じたる色もあらわれ候へ」
と、かえって法難に耐えぬこうとする強い態度をうかがうことができる。
千日尼御前御返事(重文)一卷
(新潟県)妙宣寺
弘安元?年(一二七八)佐渡の阿仏房は、九十才の老体
をおして身延の聖人を訪ねた。本書は阿仏房の妻千日尼の女人成仏のことに対する聖人の返書で、夫妻の法華経への奉公、佐渡流罪中の給仕を感謝し、未来の成仏を確約したもの。弘安元?年聖人五十七才の筆。
八)七月二十八日、聖人合戦なくして、此国の王臣等をせめかたぶけて、法花経の御敵を滅して正法を弘通せんとなり。而に日蓮佐渡国へなかされたりしかば、彼国の守護等は、国主の御計に随て日蓮をあだむ。万民は其の命にと…
絵曼荼羅 一幅
(京都府)直行寺
絵曼荼羅には文字曼荼羅を忠実に絵画化したもの、多宝塔を中央におくもの、首題を中心とするものなどの区別がある。
直行寺の二点の絵曼荼羅は、いずれも一遍首題を中央に、その周囲に諸尊を配する形式である。一般に絵曼荼羅は鬼子母神・十羅刹女と関連が深く、その勧請形態の変遷は、宗門の諸尊信仰史の上から興味深い。本図の鬼子母神未勧請の点を注目したい。
なお下方の三僧は、日蓮聖人、日朗、日像の三祖である。伝大覚大僧正筆。
理性院血脈 一紙
(神奈川県)金沢文庫
大日如来から金沢称名寺四代?の実真に至る三十代?の相承関係を記したもの。日蓮聖人は、真空―日蓮―実性とその二十五代?目に記されている。これによって聖人は、京畿遊学の過程で、天台教学はもとより、真言宗醍醐寺理性院の血脈を相承するほど、東密も修学していたことがわかる。
五輪九字明?秘密釈 一帖
(千葉県)法華経寺
建長三年(一二五一)十一月二十四日、遊学中の聖人が、京都で真言宗覚鑁の著述を書写したもの。「理性院血脈」とともに、聖人が真言宗教学の摂取にも努めていたことが判明?して興味深い。
注法華経(重文)十巻
(静岡県)妙法華寺
日蓮聖人が所持した法華経三部経十巻の本文行間、天地、紙背に経論釈の要文を撰集注記したもの。天台教学関係論疏を中心に、華厳・真言等の経釈等、二千百余章の要文を注記するが、聖人の解釈は加えていない。諸宗破折のために、所依の経論釈から要文を引用し、諸宗教義の論拠を示したものと考えられる。写真は第一巻・第六巻の巻首。
立正安国論(国宝)一巻
(千葉県)法華経寺
文応元?年(一二六〇)七月十六日、鎌倉幕府の北条時頼に上呈した私的な勘文。康元?元?年(一二五六)から文応元?年(一二六〇)の大地震、暴風雨、飢饉というきびしい社会状況を見つめ、危機の根本を正すべく、仏教の精神である正法たる法華経によって、国土と大衆の救済を説いた。そして、もしこのまま放置するならば、『金光明?経』等の経典から考え、同士討や内乱の自界叛逆難と外国からの侵略の他国侵逼難の二つの災難が必ずおこるであろうと
警告している。『立正安国論』の執筆と幕府への上呈は、その後の日蓮聖人の生涯に決定的な意味をもち、立正安国の行動として展開された。
念珠 一連
(千葉県)法華経寺
日蓮聖人は房州天津の工藤左近将監吉隆の請に応じてこれにおもむく途中、東条の松原大路(千葉県安房郡鴨川町)で、この地の地頭・東条景信の襲撃を受けた。このとき、聖人はこの念珠をもって景信の大刀を受け止めて身を守り、この難を逃れたと伝える。
袈裟 一領
(千葉県)法華経寺
東条景信の打ち下ろした大刀は、日蓮聖人の念珠で受け止められたが、切先は聖人の眉間を傷つけた。その傷をおさえてこの厄難を逃れたと伝える袈裟。
曼荼羅本尊(楊子の御本尊)一幅 楊枝御本尊
(京都府)立本寺
日蓮聖人が佐渡へ流される途中の文永八年(一二七一)十月九日、相模国(神奈川県)依智で書かれたもので、現存するものでは最初の本尊。木の枝を砕いて作った楊子をもって書いたといわれるところから、俗に「楊子の御本尊」と称される。
波木井殿御報(日蓮教学研究所本)一帖
(東京都)立正大学日蓮教学研究所
弘安五年(一二八二)九月十八日、池上宗仲邸に入った聖人が、翌十九日、身延の波木井実長に宛てた書状。池上到着と身延における九ヶ年の給仕を謝し、「いづくにて死に候とも、はか(墓)をば、みのぶさわにせさせ候べく候」と、自分の墓所を身延山に建てるよう依頼している。聖人最後の書状である。病のため日興が代?筆したが、焼失し現存しない。この写本は諦理院日静が、天正二〇年(一五九二)から文禄二年(一五九三)にかけて書写したも
のである。
曼荼羅本尊(臨滅度時の御本尊)一幅 臨滅度時本尊
(神奈川県)妙本寺
弘安三年(一二八〇)三月、身延において書かれた本尊で、筆蹟の優美さと本尊の形式が最も整えられている一幅である。
この本尊は、日蓮聖人が武蔵国池上の地で入滅の際、その床頭に懸けられたと伝えられるところから、「臨滅度時の御本尊」と称される。
曼荼羅本尊(祈祷の御本尊)一幅
(静岡県)妙法華寺
建治二年(一二七六)四月に書かれたこの本尊の授与書「大日本国沙門日照之」は、もと紙背に認められていたものを、表装に際し、これを切離して左下の表面に現したという。法華経や涅槃経の祈祷に関連のある経文を、讚文として掲げられているところから「祈祷の御本尊」と称されている。
曼荼羅本尊(亀姫守り御本尊)一幅
(京都府)立本寺
この本尊は「亀若守り御本尊」と対をなすもので、おそらく千葉頼胤か胤宗の姉妹にあたる女人亀姫に授けられた守り本尊。
絵曼荼羅一幅
(京都府)直行寺
10図とほぼ同様の絵曼荼羅である。本図には十羅刹女の中央に鬼子母神が描かれている。十羅刹女信仰から鬼子母神・十羅利信仰へ、さらに鬼子母神信仰へと変化する信仰の経過を示す一幅である。下方に京都妙顕寺第三代?朗源の花押があり、その開眼になるもの。
【掲載作品 一部紹介】全作品に所蔵先、詳細な解説付き。奥書、消息等一部釈文活字起こしあり。
波木井の御影 久遠寺
波木井の御影 妙徳寺
曼荼羅本尊 鉄砲の御本尊
曼荼羅本尊 女人成仏の御本尊
曼荼羅本尊 亀若守り御本尊
日蓮聖人坐像
土木殿御返事 日蓮筆
五人土籠御書 日蓮筆
千日尼御前御返事 日蓮筆
兵衛志殿御返事 日蓮筆
種々物御消息 日蓮筆
絵曼荼羅
絵曼荼羅
日蓮聖人註画讃 本圀寺本
日蓮聖人絵伝
繍字法華経
授决円多羅義集唐?決上
理正院血脈
五輪九字明?秘密釈 日蓮筆
法華経
文段法華経
注法華経
聖人御難事
立正安国論 日蓮筆
夢想御書 日蓮筆
立正安国論 広本
論談敵対御書 日蓮筆
一谷入道御書 日蓮筆
念珠 日蓮所持
袈裟 日蓮所持
宿屋入道再御状 日蓮筆
曼荼羅本尊 楊子の御本尊
千日尼御前御返事
観心本尊抄 法華経寺
撰時抄 日蓮筆
報恩抄 日蓮筆
念珠 日蓮所持
曼荼羅本尊 臨滅度時本尊 臨滅度時の御本尊
曼荼羅本尊 玄旨伝法御本尊
日蓮聖人入滅図
曼荼羅本尊 祈祷の御本尊
曼荼羅本尊 亀姫守り御本尊
曼荼羅本尊 病即消滅の御本尊
絵曼荼羅 直行寺
絵曼荼羅 直行寺
絵曼荼羅 妙興寺
絵曼荼羅 本境寺
絵曼荼羅 本興寺
ほか