リリース当時には英・米・日にて曲順も収録楽曲も(アルバム・ジャケットも)異なるという曰くある作品でございますが、ここではそれらの楽曲を大体網羅した仕様となっております。
内容は言わずもがな。
ラインアップは名手揃い。
故Gary Moore(G&
Vo、B、 ex-Skid Row、Gary Moore Band、ColosseumⅡ、Thin Lizzy、G-Force、Greg Lake Band)、Neil Carter(Key&B-Vo ex-Wild Horses、U.F.O.)、Ian Paice(Ds、ex-Deep Purple、Paice,Ashton&Lord、Whitesnake)、
故Bobby Chouinard(Ds ex-Billy Squier Band)、Neil Murray(B、ex-Hanson、National Health、Gilgamesh、Coloseum Ⅱ、Whitesnake、後にWhitesnake復帰、VowWow、Black Sabbath、Brian May、MSGセッション他)、
Bob Daisley(B、ex-Widow Maker、Chicken Shack、Ozzy Osbourne、Lone Ranger他
)、Mo Foster(B、ex-Affinity、Jeff Beck、MSGセッション、後にRMS他
)、Craig Gruber(B
ex-Elf、Rainbow)、
となります。
またプロデューサーは前作同様Jeff Glixman(Kansas、Paul Stanley等、後にBlack Sabbath等を手掛ける)となります。
Gary Mooreのキャリアでは一番HM色が強い作品でございます。
そもそもソロ化以前のキャリアでも非常に興味深い音楽変遷を経ている事もあり、アルバム毎に音楽性が変貌する感のあるこの故Gary Moore。
次作では同じHR/HMとは言えど八十年代を意識したディジタル感強いコンパクトで洗練された音楽性へと移行する事もあり、非常に貴重な音楽性時代の制作となります。
指引きベーシストを好まないプロデューサーJeff Glixmanとの折り合いが付かない事や(ソロという事もあり)自身の音楽性の枠に嵌めたがる故Gary Mooreの方針に嫌気が差した名手
Neil Murrayが制作途中で離脱(後にWhitesnake復帰)、
また、ソロ・アーティスト再出発時よりNeil Murrayと共に参加した名手Ian Paiceが自身のかのDeep Purple再結成に加わる為に後のツアー中に離脱。
但し、制作時には
既に
水面下ではDeep Purple再結成の話し合いが持たれており、「再結成となれば参加する事になる。後任の人選を進めてほしい」と故Gary Moore自身やマネージメントに極秘裏に意向を伝えていた感がございます。
今作のドラマーの人選や参加曲数からもそれが伺えるものとなっており、非常に興味深いものとなっております。
Gary Moore自身が録音でベースを担当した楽曲もありメンバー変遷的にも非常にゴタゴタした感のある制作ではございますが、何せ名手揃い。
演奏・アンサンブルの結構な纏まりのみならず、楽曲や音楽性の非常な充実振りには目を見張るものがございます。
前作のハードロック色からは一転、当時のHMを強く意識した感があるもので非常にへヴィさを重視した音楽性。
但し、メロディ感覚はスムースな感覚のものとなり、次作への洗練的な変化の過程にある感がございます。
また、前作ではキーが非常に高く無理に歌っていた感がございましたが、ツアー後期で自身のみでヴォーカルを(しんどく)こなした経験を生かした感のあるヴォーカルでこちらも次作への過程が伺える感がございます。
また当時は既にNWOBHMは終息、シーンの中心はアメリカへと移行した時期。音響的にもそれを意識した感。
Ozzy Osbourneがアメリカで成功を収めていた事や故Gary Moore自身がかの名手故Randy Rhoadsを高く評価してしていた事もあり、音響のみならず音楽性もかの当時の大傑作”Diary of a Madman”を意識した感がございます。
(Ozzy Osbourneが今作の”Law of the Jungle”にてゲスト参加の予定ではあったもののスケジュールの関係上不可となったという話がございますが、ビジネス/マネージメント絡みでの不参加の感がございます............
何せ、以前の故Gary Mooreと故Cozy Powellとのプロジェクトで契約問題を持ち出され(←これが非常に怪しい)、その一件が尾を引いている感が.........................................)
今作は正統系ブリティッシュHM王道の音楽性でございますが、当時はかのBon Joviが登場。
かの”Runaway”を意識した感のある楽曲も存在。
そもそもアメリカンHRの名バンドで当時大成功を収めていたかの”Survivor”を意識した音楽性を
Bon Jovi自身が2ndで
指向しており、それに繋がる感もございます。
(メロディアス重視を生かした)故Gary Mooreの音楽的応用力が感じられるものでもございます..............
Gary Mooreの弾きまくり感が耳を惹きますが、依然と比べアンサンブルを考えた纏まりを感じさせるもの。次作への移行期を感じさせる感がございます。
またNeil CarterというGary Moore自身とよく似た声質を持つヴォーカリストを引き入れた事でコーラスワークが可能となり(ライヴでは歌い分けも.......)、
音楽性の実現が楽になった感がございます
。
但し、(後に制作されるライヴ盤からもお分かりになられます様に)この時代の音楽性は(ヴォーカル含め)ライヴ的に相当しんどかった模様。
ツアー後に次作にも収録される名曲”Empty Room”の再録音ヴァージョンがリリースされますが、次作への音楽性の(ヴォーカル含めた)洗練・簡素化が始まる事となります...................
また、Thin Lizzy解散後に他メンバーから「一緒にクリーンになろう」と説得されるものの断じて断り(.......何だかねえ)、Grand Slamを立ち上げるものの不発に終わり忸怩たる思いをしていた当時の盟友Phil Lynottが気に掛かる事となり、
故Phil Lynottを引き上げつつ(故Gary Moore自身が当時指向した)新たな洗練された音楽性を試す”Out In The Field”プロジェクトが企画される事となります........................................................
ボーナス曲は三曲。
日本盤に収められた”Devil in Her Heart”、そして12インチ盤のみに収められた
Craig Gruber作曲の
貴重なインスト曲”Blinder”、そして次作への橋渡しとなる”Empty Room”84年ヴァージョンとなります。
この機会に是非。
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